平均寿命と比例しない、歯の寿命
健康な体をつくる基本は「しっかり食べること、よく噛むこと」です。そのためにはしっかりと噛める歯が必要となります。しかし平均寿命が長くなったにも関わらず、歯の健康寿命は残念ながらそこまで長いわけではありません。8020運動が推進されているとはいえ、80歳まで自分の歯を20本残すことはなかなか困難ということが言えます。
歯を失う2大要因は、歯周病と虫歯
ではなぜ歯を失ってしまうのでしょうか。歯を失う2大原因は、歯周病と虫歯です。虫歯も歯周病も予防できる病気ですが、口腔内の衛生管理を怠ってしまうことで症状が出てしまいます。早期に発見し、早く治療を行うことで進行を抑制し、口腔内ケアをきちんと行うことで健康な歯を維持することが可能です。
虫歯の場合、長期間放置する事で歯の部分が無くなり、根だけになってしまいます。根だけになった歯は土台を立てて被せ物をつけることができないため、残念ながら抜歯となってしまいます。
歯周病の場合は初期こそ歯ぐきからの出血などといった軽い症状のため、ついそのままにしてしまいがちです。それがやがて重度の歯周病となり、気がつけば歯がグラグラ、ひどい口臭といった手遅れのような状態になってしまいます。
歯を失ってしまうと、二度と元には戻りません。虫歯や歯周病にならないような生活を送り、もし虫歯や歯周病と診断されても、適切な処置を行い、その後のケアを正しく行うことでご自身の歯を残すことができるのです。
機能面だけを取り戻す保険治療
予後が悪い歯は残すことができず、残念ながら抜歯となります。そしてそこからは、噛むという機能を回復させる治療を行うことになります。
一般的に保険適用の入れ歯やブリッジが主な治療の選択肢となります。どちらも安価で作製できること、また治療に要する期間もそれほど長くないため、早い段階で噛む機能を回復することが可能です。しかし保険適用の入れ歯やブリッジにはデメリットが多いことも事実です。
保険治療は機能回復のみを目的としているため、よりよい治療法というわけではありません。つまり保険を使った機能回復手段は、失った部分に歯を入れて、最低限の噛む機能だけを回復させる手段です。
咀嚼力に大きな不安が残る入れ歯
部分入れ歯の場合は噛む機能が天然歯よりも劣り、しっかり噛みにくいことが大きな欠点です。また隣の歯に金属のバネをかけて使用するため、将来的に健康な歯も痛めてしまうことがあります。
総入れ歯の場合はより噛む機能が弱いため、咀嚼力の低下が認知症や寝たきりなどの症状を引き起こすキッカケとなってしまうことが懸念材料です。またガタガタした入れ歯ではしっかり噛むことが困難なため、消化にも悪く、唾液分泌も低下するため消化不良や口臭、口腔内乾燥による誤嚥性肺炎の危険も出てきます。
健康な歯を痛めやすく、口臭の原因になりやすいブリッジ
保険適用のブリッジは、噛む力は強いですが隣の歯が治療していなかった場合、健康な歯をたくさん削らなければいけないことが最大のデメリットです。歯をたくさん削ることで、将来的に歯を痛めてしまうことが懸念材料となります。
またブリッジを支える歯に大きなダメージを与えやすいこと、奥歯が銀歯のブリッジの場合、強度が強すぎて対合の歯まで痛めてしまう可能性が高いこともデメリットです。口臭の原因にもなりやすいことも、ブリッジのデメリットと言えます。
また抜歯までいかず、歯の根の治療を行った場合も保険治療の被せ物を作ることが出来ます。保険を使った銀歯の場合、汚れが付きやすく2次カリエスになりやすいため、再治療のリスクが高くなります。
機能・審美面共に優れている自費治療
失った歯の機能回復手段であるインプラントや、根の治療後に必要なオールセラミックの被せ物は、機能面だけでなく審美面もとても優れています。美しくきれいな歯で過ごすことは、毎日の生活を健康的なものに導いてくれるのです。
噛む機能が非常に優れているインプラント
インプラントは顎の骨に人工の根を埋め込み、人工歯と呼ばれる被せ物を付けることで天然歯に近い、しっかりとした咀嚼機能と美しさを取り戻すことができます。
しっかりと噛むことで唾液がたくさん分泌され、虫歯菌や歯周病菌の増殖を防ぐことができます。そして脳の活性化を促し、認知症の予防にも効果的と言われています。また部分入れ歯やブリッジのように、他の歯に影響を与えないことも大きなメリットです。
身体に優しいオールセラミック
根の治療を行い、土台を立てた歯には最終的な被せ物(差し歯)が必要です。この被せ物を、金属を使わないオールセラミックにすることで、審美面だけでなく様々なメリットを得ることができます。オールセラミックは土台に金属を使用しない事から、歯の根にクッション性がある素材を使用しているので歯に優しく、見た目も透明感のある美しい白さが特徴です。
金属を使わないメタルフリーのため、金属アレルギ―の心配等も無く、身体にとても優しい治療です。インプラントもオールセラミック治療も自費治療となるため、高額な費用が必要となることがデメリットです。
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