TRIOS(光学印象)
TRIOS(光学印象)とは?
TRIOSは光学印象の機械です。光学印象は、通常の歯の型どりと異なり、カメラで口腔内をスキャンすることで型どりする方法です。
スキャンした3Dデータをそのまま技工所に送り、被せ物などを作成します。
従来の型どりと比べて精度はよいか?
光学印象の方が精度が良いと言われています。
従来の型どりの場合、ピンクの粘土のような材料と寒天で型を採った後、石膏を流して模型を作ります。型どり材が変形することもありますし、石膏は膨張する性質があるため、元の歯の形とぴったり同じというわけではありません。
一方、光学印象はデータとして取り込みますので、変形や膨張などはほとんどなく、従来の型どりより精度の高いデータを得ることができます。
患者さんのメリット
精度が高いのはもちろん、不快感が少ないことが最大のメリットです。
光学印象は、数秒で型がとれるため、従来の型どりのように固まるのを待っている必要がありません。
従来の型どりでは嘔吐反射がある方も、光学印象ではストレスなく型どりできる方が多いです。
歯科用CT
歯科用CTとは?
お口の中の状態を3次元で確認することができるX線装置です。 インプラントや矯正治療では、歯と顎の骨の位置関係、大きさなど従来のレントゲンでは見ることのできない情報をたくさん得ることができます。 また、CTの3D画像は患者さんにもとてもわかりやすい画像診断法ともいえます。従来のレントゲン診査だけでは得られなかった情報、例えば神経の位置や骨の状態などを把握することで、より正確・精密に行なうことができるようになりました。
従来のレントゲンと歯科用CTの違い
レントゲン画像とは立体物を平面にしたものなので、前後の像が重なって写ってきます。これを画像の影の濃淡で立体の形を予測していきます。したがって2次元画像は、その部位の形態を診断していくのに想像の域を脱しないということです。そのため、部位や状態によってはレントゲンだけでは分からない場合もあります。
CTの場合は写った画像から想像ではなく、そのものがそのまま3次元の画像として見えるので診断のばらつきが少なく、より正確で精密な診断ができます。
歯科用CTで出来ること
CTを使えば、レントゲンでは分からなかった診断が可能です。
例えば…
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インプラントの術前診断
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親知らず周囲の神経の位置確認
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歯を支える骨の状態の把握・・・歯周病治療に役立ちます。
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歯根の形態把握。・・・根の治療に役立ちます。
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根尖病巣(歯根の先にできる膿の袋のこと)の診断
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虫歯の診断
など事前に病気の詳細がわかることや、インプラントにおける手術野の状態が細かく把握できることによって、より正確で安全な治療が受けられるようになります。
歯科用CTのメリット
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見えなかったものが見える
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分からなかったことが分かる
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より正確で精密な治療ができる
マイクロスコープ
マイクロスコープとは?
マイクロスコープとは、手術用顕微鏡のことで、肉眼の20倍程度まで拡大して診ることができる装置です。もともとは眼科や脳神経外科、心臓外科などの手術で使用されていたもので、現在歯科の分野では歯科用マイクロスコープが活躍しています。
歯科の治療は非常に細かい世界ですが、実は肉眼では見えない治療もあります。マイクロスコープを使用することで、今まで見えなかった部分も確認できるようになり、より精度の高い治療ができます。
歯科用マイクロスコープで精度の上がる治療
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根の治療
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歯を削る虫歯治療
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詰め物やかぶせ物の治療
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歯周病治療
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インプラント治療
1.根の治療
根の治療は歯根の中の汚れをとる治療ですが、根の中は細く暗いため肉眼で見えません。そのため、通常は根の先端までの距離を測る機械を使いながら治療します。歯科用マイクロスコープを使用することで、先端まで見ながら治療することができるため、汚れの取り残しがありせん。
元々セラミックで治療されている歯の再治療、被せ物をはずすのではなく歯ぐきの方から歯根にアプローチすることで高価なセラミックを残して治療することができます。歯茎から歯根へアプローチするのは、通常の治療方法よりも難易度が高く、肉眼で行なうよりもマイクロスコープを使用することで精度が上がります。
2.歯を削る虫歯治療
肉眼の20倍まで拡大できるので、余計なところを削ってしまったり、逆に虫歯を取り残すリスクが減少します。
3.詰め物やかぶせ物の治療
詰め物や被せ物を作るに当たり、歯と歯ぐきの境目の適合具合はとても大切なポイントです。そこを拡大して見ながら削ることで、より精密に詰め物や被せ物の形作りができます。
4.歯周病治療
歯周病の原因である歯石は、取り残してしまうと歯周病の改善が期待できません。マイクロスコープで確認することで、細かな部分の歯石までしっかりと除去することができ取り残しを防ぎます。また、歯周病によって溶かされた骨を再生させる手術もマイクロスコープで行います。
ピエゾサージェリー(超音波骨切削器具)
ピエゾサージェリーとは?
ピエゾサージェリー(超音波骨切削器具による骨外科)は、三次元超音波振動を利用した低侵襲治療器具です。低侵襲治療とは、患者さんの体にやさしく、ダメージが少ない治療です。具体的には、下記のような特徴があります。
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腫れにくい
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痛みが少ない
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出血しにくい
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治癒しやすい
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傷・組織欠損が少ない
ピエゾサージェリーを使うと、従来の方法に比べて骨削部分の長さ・深さを正確にコントロールすることが可能になり、神経や血管などの軟組織を傷つけず安全に骨だけを切削することができます。また、骨へのダメージも少なく、正確に必要最小限の骨を削ることができます。
ピエゾサージェリーを適用できる症例
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抜歯
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骨隆起除去術
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サイナスリフト
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ソケットリフト
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スプリットクレスト
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骨採取
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歯周外科治療
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インプラント関連手術
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歯根端切除
抜歯におけるピエゾサージェリーの利点
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頬側の骨壁が薄い症例で歯槽骨を保つことができる
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骨性癒着の抜歯で歯根表面を切削でき、抜歯が可能
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キャビテーション効果で止血するため術野が保てる
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下顎管の付近での根尖の抜歯がより安全に行なえる
ピエゾサージェリーを用いた手術の特徴
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菲薄な骨でも破損することなく、高い精度の骨切りが可能である。
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骨切り線が曲線を描く場合でも、容易な骨切りが可能である。
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血管、神経あるいは粘膜など軟組織の損傷が少ない。
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厚い皮質骨の切断には長時間を要する。
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狭い術野での硬組織の削除が可能になる。
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出血のコントロ-ルが可能になる。