歯を失うというと、高齢の方ばかりをイメージするかもしれません。しかし、若くして抜歯が必要になったり歯が抜けてしまうこともあります。
歯を失う原因
1位 歯周病
2位 虫歯
3位 破折
歯周病が1位というのが意外に思う方もいるのではないでしょうか?実は、虫歯よりも歯周病が原因で歯を失ってしまうことの方が多いのです。ちなみに、35歳くらいまでは虫歯が原因第1位で、それ以上の年齢になると歯周病が1位になります。
歯周病
20代に歯周病が原因で抜歯することは、珍しいケースかもしれません。あい歯科クリニックでは、今のところほとんどありません。30代では、虫歯・歯周病は同数くらい、40代以上になると多くみられます。
歯周病は歯の汚れであるプラークによって起こされる病気です。プラークは細菌の塊なので、歯磨きや歯科医院のクリーニングでお口の中を綺麗にしておかないと進行してしまいます。最初は歯茎が赤くなったり、歯磨きのとき出血したりします。痛みなどの自覚症状はあまりないため、知らないうちに重症化しているということもよくあります。
重症化すると、歯槽骨(歯を支える骨)が少しずつ溶かされてしまい、歯がぐらぐらと揺れてきます。さらに放っておくと、骨はさらに溶かされ歯を支えられなくなり、動揺が激しくなって抜歯をしたり、自然に歯が抜けてしまうこともあります。
虫歯
虫歯が深くなり歯の神経まで達した場合、根の治療をします。この時点でしっかりと治療ができれば、抜歯をせず歯を残すことができます。しかし治療しなかったり、根の治療を中断してしまったりして虫歯が進行すると、歯の根の先端に膿が溜まります。膿の袋のようなものができ、放置すると大きくなっていきます。手遅れになると抜歯をしなければなりません。また、根の治療中の歯は健康な歯に比べてもろいため、強い衝撃などで歯根が折れてしまうことがあります。その場合も抜歯が必要になります。
根の治療が必要な段階でも放置していくと、歯が溶けていき抜歯になったり自然と歯が抜けてしまったりします。
破折や事故など
転んだり交通事故などで歯を打ってしまった場合、歯に割れてしまって抜歯になることがあります。
抜歯後の治療方法
歯を抜いた部分には、インプラント、ブリッジ、入れ歯のいずれかの補綴治療(ほてつちしょう)が必要です。歯が抜けたまま放っておくと、空いたスペースを埋めようとして隣の歯が傾斜してきたり、噛み合う歯が伸びてきたりします。歯並びが悪くなり汚れがたまりやすくなるので、虫歯や歯周病のリスクが上がり、噛み合わせも悪くなります。そのため、歯を失った後の治療は大切です。
インプラント
近年、インプラント治療を選択する方が増えています。歯を失った部分の骨にインプラント体という人工の歯根を埋め込み、かぶせ物をする方法です。なんと言っても一番のメリットは、自分の歯のような噛み心地と見た目を取り戻せることです。ブリッジや入れ歯と異なり、インプラントは歯根の部分から治療します。そのため、しっかり噛むことができ、食事を楽しむことができます。また、入れ歯のように留め具がないので見た目も自然で、発音がしにくいということもありません。
ブリッジ
歯を失った部分の両隣の歯を削り、つながったかぶせ物をかぶせる治療法です。失った歯が1本なら3本つながったかぶせ物が入ります。お口の中の状態によってはさらに多くの本数になることもあります。ブリッジ治療の場合は、インプラントほどではありませんがある程度しっかり噛むことができます。また、入れ歯のように留め具はないので、セラミックで治せばきれいな見た目となります。
入れ歯
比較的簡単に作製することができます。入れ歯の範囲が大きいと、硬いものを噛んだりしっかり発音することは難しくなります。
まとめ
インプラントやブリッジなど優れた治療法はありますが、やはり自分の歯を残すことが一番です。日頃から歯磨きをしっかり行ない、定期的に歯科医院で検診を受けて健康なお口を維持しましょう
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